先日、HISの沢田会長の話をきく機会があった。
再生請負人として有名な彼は、
旅行業・ホテル業以外にも金融機関の再生にも
意欲的に取り組んでいる。
中でも18年間赤字が続いたハウステンボスの再生は有名だ。
佐世保という地方都市の商圏は東京の10分の1以下だ。
過剰投資が赤字体質を作り上げていた。
最初に取り組んだのは、「赤字の文化」を変える事だった。
長らく染み付いた「負けくせの文化」。
優秀な幹部はみな退職し、社員の平均年齢40歳を超えた社風を
変える事は並大抵の事ではなかったと思う。
取り組んだのはリストラやマーケティングではなく、
「朝の掃除」と「明るく元気な振る舞い」だった。
「掃除」は発展している会社の共通点はオフィス・店舗が奇麗であるから、
「元気な振る舞い」は嘘でもいいから社員に自信を持ってもらうためであった。
幾度の失敗から100万本のバラ、1000万球のイルミネーションで
オンリーワン戦略が功を成し、売上30%増、今や100億を目指す勢いだ。
彼はとても「運」を大切にしていて、
「運」は人間性の良い人と付き合うことでもたらされる
という言葉が印象的であった。